【考察】夜のヨーグルト置き換えダイエットで痩せるか？
夕食をヨーグルトに置き換えるという置き換えダイエットがあるようです。
私はヨーグルトの置き換えダイエットについて知らなかったので、夜にヨーグルトの置き換えダイエットを実践した知人に聞いてみました。
本人曰く「全く効果ないよ！全然痩せなかった！」とのことでした。
果たして本当にそうなのでしょうか？
やり方が悪かっただけなんじゃないでしょうか？
そこで今回は「夜にヨーグルト置き換えダイエット」をすることで実際に痩せることができるのか？考えてみたいと思います。
※注意
今回は実際に実践してみたわけではありません。
成功した人と成功していない人の間の差検証することによって論理的に可能なのか考えてみました。
いつもなら、長くなりそうな時は複数の記事に分けて投稿しています。
今回はいつものような短編記事ではなく、まとめ記事・調査記事にしてみました。
いつもよりちょっと長めですが、お付き合いいただけると幸いです。
また、個人の主観が多めです。
そもそもヨーグルトって何？
本題に入る前にそろそろヨーグルトってどんなものなんでしょうか？
私も調べるまではよくわかっていませんでした。
実はヨーグルトにはちゃんとした定義があります。
ヨーグルトの定義がFAOとWHOによって1977年に厳密に定められています。
これによると・・・
「ヨーグルトとは乳及び乳酸菌を原料とし、ブルガリア株（Lactobacillusbulgaricus）とサーモフィルス株（Streptococcusthermophilus）が大量に存在し、その発酵作用で作られた物」
となっています。
うーんなんだかよくわからないですね。
簡単に言えば「牛乳のような動物の乳に、特定の菌をぶち込んで発酵したもの」
といった具合だと思います。
そしてこの特定の菌が、
ブルガリア株（Lactobacillusbulgaricus）と
サーモフィルス株（Streptococcusthermophilus）です。
これには、指定されているのはヨーグルトの歴史が絡んでいます。
ヨーグルトに歴史のある国といえば何が思い浮かびますか？
多くのかたがブルガリアと答えるでしょう。
ブルガリアはヨーグルト発祥の地とも言われています。
（※発祥の地に関しては諸説ある）
このブルガリアで伝統的に作られているヨーグルトに含まれている菌がブルガリア株（Lactobacillusbulgaricus）とサーモフィルス株（Streptococcusthermophilus）なんです。
ここからは私の想像になってしまうのですが、ヨーグルト発祥の土地の製法を基準にすることには反論は起こしにくいでしょう。
または、伝統と歴史への敬意なのかもしれません。
ヨーグルト菌って何？
そうなると気になるのがヨーグルト菌の正体です。
厳密な定義の言うと上記の二つの菌がヨーグルト菌といえます。
しかし、最近はその基準もゆるく、ヨーグルトを生成する菌であればヨーグルト菌と呼んでいるように感じます。
実際に上記のブルガリア株、サーモフィルス株は乳酸菌の一種です。
ところがビフィズス菌で作るヨーグルトもあります。
ビフィズス菌でヨーグルトを作ったとしても、ちゃんとヨーグルト扱いされてます。
夜にヨーグルト置き換えダイエットをする意義
では実際に夜にヨーグルト置き換えダイエットすることを考えてみましょう。
どのタイミングでどの程度の食事をするかは人によるでしょう。
ですが多くの方は朝と昼はしっかり食べて夜は軽くすべきと考えています。
朝は食べないと力が出ない、、、
昼は食べないとやはり午後の時間を乗り切れない、、、
そう考えるとダイエットを実践するには夜が最適です。
とはいえ、夕食を食べずに2食にするのは危険です。
なぜなら、夜に最低限の栄養を体に入れておかないと体が寝ている間に回復しないからです。
ヨーグルトを食べることによって、ビタミンCやタンパク質、糖分が体を回復させてくれます。
そのため、夜に置き換えダイエットをすることは理にかなっています。
実はよくわかっていないダイエット効果
ヨーグルトを食べることによって、ダイエット効果があるかどうかは実はよく分かりません。
色々調べてみましたがヨーグルトとダイエットとの因果関係はよく分かりませんでした。
そもそもヨーグルトは乳製品です。
栄養たっぷりの健康食品です。
基本的に人間が美味しいと感じるものはしっかりとカロリーが含まれています。
有名な明治のブルガリアヨーグルトの場合、
100グラムあたり62キロカロリーです。
1日のヨーグルトの摂取量の目安は200Gが良いとされています。
200G食べるとして124キロカロリーです。
カロリーはしっかりあります。
また、ヨーグルトに対してダイエット効果があるのではないか？と言われ始めたのがここ最近の話だと思います。
確かに私が若いころもヨーグルトは低カロリーだし腹持ちいい。
だから食事をヨーグルトに置き換えればダイエットになると言われたことはあります。
ですがこれってヨーグルト自身の効果ではないですよね？
にもかかわらずヨーグルトとダイエットは非常に親和性の高いイメージがあります。
どうしてでしょうか？
ヨーグルトのダイエット効果はメーカーの努力
ガセリ菌という言葉を聞いたことはありますか？
おそらくCMや近くのスーパーの乳製品コーナーでよく目にしたと思います。
その際の表記はおそらく「ガセリ菌SP株」だったのではないでしょうか？
「ガセリ菌SP株」とは雪印メグミルク株式会社の研究室によって作られた乳酸菌の一種です。
日本乳酸菌学会でガセリ菌SP株に内臓脂肪低減効果があると発表されています。
ここに多くのダイエッターたちが飛びつきました。
そして「痩せた」だの「痩せてない」だの議論が巻き起こることになりました。
ネット上ではガセリ菌SP株のことをダイエット菌と呼ぶサイトもありました。
問題はガセリ菌SP株の体脂肪低減効果が宣伝の域を脱していないということです。
実際に細菌学というものは生物学の1分野です。
しかしながらダイエットというと医学の世界のイメージがあります。
もしくはスポーツ科学の世界でしょうか？
いずれにしても、色々な分野からダイエットについてアプローチするのは大変素晴らしいことだと思います。
本当に体脂肪低減効果があるというのであれば医学会が黙っていないような気がします。
にも関わらず、現在ガセリ菌SP株の効果をうたっているのはメグミルクくらいです。
結局のところ、ヨーグルトによるダイエット効果はよくわかっていません。
メーカーによる開発努力・販売努力が生んだイメージではないでしょうか？
ヨーグルト置き換えダイエットに成功した人の共通点
ネット上では夜にヨーグルト置き換えダイエットをすることによって、実際に痩せることが出来たという声をたまに目にします。
この人たちが痩せることが出来た理由は何でしょうか？
それは厳格なカロリー計算によるものだと私は考えています。
痩せることができた方々に共通していることは、しっかりと日々のデータを収集していることです。
日々の体重をしっかり記録につけているのです。
またダイエットスタート前にどの程度のカロリーを日々摂取すれば、どのくらいの期間で痩せるかをきちんと計算に入れて実践しています。
そのため多少サボったとしてもリスケが効くのです。
例えばブルガリアヨーグルトを使って置き換えダイエットを行った場合、摂取カロリーは1日に200G食べたとしても124キロカロリーです。
普段の夕食は軽めだとしても500キロカロリー、多い時は1000キロカロリーを余裕で超えてしまうでしょう。
これをヨーグルトに置き換えるだけで124キロカロリーはで経験することができるんです。
今まで夕食に500キロカロリー摂取していた場合、そのマイナスは、376キロカロリーです。
脂肪1kg7200kcalをマイナスにすることで減らすことができます。
ヨーグルト置き換えダイエットをする場合、わずか20日間で脂肪1キロをカットできる計算になります。
また他のダイエット並行して行なっている場合はもう少し痩せることができるでしょう。
さらに面白いことは
痩せた原因がヨーグルトによるものなのか？
または、
置き換えダイエットを夜に行ったことによるものなのか？
まで検証しているものは見つけられませんでした。
私個人の感想ですが、夜に置き換えダイエットをすることがポイントなのではなく、摂取カロリーを減らすことができたことがポイントなのではないかと思います。
ヨーグルト置き換えダイエットに失敗した人の共通点
一方、ヨーグルト置き換えダイエットがうまくいっていない人はとりあえずヨーグルトを食べればうまくいくのでは？と考える傾向にあります。
つまり1日の摂取カロリーをあまり意識していないのです。
うまくいかないパターンの方を見ていると、まるでヨーグルトをダイエットサプリかのような感覚で扱っているように思います。
体調を崩したら即ダイエットは中止
食事制限をするタイプのダイエットは体調不良が心配されます。
普段摂取しているはずのエネルギーが突然摂取できなくなるばかりでなく、食事制限によるストレスも加わります。
そのため食事制限をするタイプのダイエットは何かと体調を崩しやすいのです。
もし、体調を崩してしまった場合は速やかにダイエットを中止しましょう。
本来必要になるはずのエネルギーが摂取できなくなり、体に無理をさせている可能性があります。
まずは体の回復を優先させ、体の調子が戻ってからダイエット再開しましょう。
飽きさせない工夫が大事
いわゆる置き換えダイエットの類は、同じものをひたすら食べ続けるダイエットです。
例えばりんごダイエット。
りんごばかり食べ続けることになります。
同じようにヨーグルト置き換えダイエットも毎日ヨーグルトを食べることになります。
初めの一週間ぐらいは楽しく続けられますが、それ以上の長期にわたると、その食材を見ることすら嫌になってくると思います。
そこで多少摂取カロリーが増えたとしても、ヨーグルトを食べ続ける工夫が必要になってきます。
例えば私が昔やっていたのは、ヨーグルトに様々な混ぜ物をすることです。
・黒糖
・はちみつ
・ジャム
・シリアル
などをあらかじめ用意しておくことで飽きた時に対処することができます。
特にジャムや蜂蜜は種類も豊富なので、小さい小瓶をいくつか用意しておくと飽きが来ないです。
確かにヨーグルト単体で食べた方が摂取カロリーは少なくて済みます。
しかしながらダイエットは継続との戦いです。
ちょっとだけ摂取カロリーが増えたとしても継続できることを優先しましょう。
ヨーグルトの胃腸への効果
実はヨーグルトに使われている乳酸菌は腸の中では生きることができません。
通常頂の中で生息している乳酸菌は別の種類の乳酸菌です。
ブルガリア菌、サーモフィラス菌などのヨーグルト菌は、胃で胃酸、腸で胆汁にさらされ死んでしまうからです。
にもかかわらずヨーグルトか胃腸に良いとされているのは、ヨーグルトを食べることによる副次的な効果によるものです。
ヨーグルト菌自体は腸に到達する前に死んでしまいますが、その代わり腸の中で多くの代謝物が生成されることがわかっています。
その代謝物により、腸内のウェルシュ菌悪玉菌を減らして、腸内環境を整える効果があります。
一方ビフィズス菌は胃酸や胆汁で死滅せず、腸内に到達することができます。
とはいえなかなか腸に定着してくれないという説もあり、ヨーグルトで健康効果を得るためには一定量のヨーグルトを継続的に食べる必要がありそうです。
腸内環境を整えるということを考えると、宿便を排出させたり、便秘の解消に役立ちそうです。
そうなると副次的に体重が減りますから、これをもって「ダイエット効果あり」としている人もいるかもしれません。
まとめ：結局、夜にヨーグルト置き換えダイエットで痩せるのか？
・厳密なカロリー計算の下であれば痩せる！
・便秘がちな人は乳酸菌の働きによって副次的に痩せる（かも？）
結局のところヨーグルトによるダイエット効果はよくわかっていません。
そのため、ヨーグルトの力を過信せず、ダイエットの基本に立ち返るべきではないでしょうか？
消費カロリーが摂取カロリーを上回れば自ずと体重は減っていきます。
おそらく、夜にヨーグルト置き換えダイエットで痩せた人もこの基本を押さえていたから痩せたんだと私は思います。
かつて、ブルガリア人の長寿を支えているのはブルガリアヨーグルトではないかという話があったそうです。
日本人もこれにならい、ヨーグルトを食べれば長寿になれるのではないかと思われていました。
ただし、統計情報が古いので現在は信用ができないとされています。
気になりましたので現在の世界長寿ランキングを調べてみました。
この数字を見た率直な感想は、
「わざわざブルガリアからヨーグルトを仕入れる必要はなさそうですね。
おいしいからいいけれど。」
【おまけ２】ヨーグルトを続けたいんだけどヨーグルトメーカーってあった方がいいの？
一度は家庭でヨーグルトを作ってみたくはないですか？
市販のヨーグルトを牛乳に混ぜてちょっと暖かいとこで置いておくだけで牛乳がヨーグルト化していきます。
ちなみに我が家ではブルガリアヨーグルトとカスピ海ヨーグルトで実験したことがあります。
両方とも牛乳を混ぜるだけでヨーグルトを作ることができました。
でも、ヨーグルトメーカーはあるに越したことはないです。
なぜなら、しっかり温度管理をしてくれるからです。
ヨーグルトが形成されるには30°から45°程度の温度が必要になります。
つまり暖かい地方では放置しているだけでヨーグルトが作れます。
逆に、寒い季節や涼しい地方ではヨーグルトメーカーによる温度管理が必要になります。そのため、用意しておくと大変便利です。
